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じゃずバルブトロンボーン吹きの日常 in 新潟 改め 亀戸

ジャズ(および居酒屋)天国、新潟を離れ、東京のド下町からお送りする、極めて個人的なジャズ情報ブログ

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ブラザー・サン シスター・ムーン

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みなさん、恩田陸という小説家をご存知でしょうか?

ワタシがこの人の小説を読み始めたのはもう7~8年前のこと。小説家には珍しくないのかもしれませんが、最初っから小説家を目指していたわけではなく、デビューからしばらくはOLとの兼業をしていたという経歴の持ち主です。
いまやすっかり売れっ子になってしまい、映画化・ドラマ化されている作品も多数あります。
(本屋大賞を受賞した「夜のピクニック」はどこの本屋でもしばらく平積みされていたので聞覚えがあるのでは)

で、日記のタイトルなんですが、最近出版された恩田陸の小説のタイトルです。
東京に戻ってから一年間、ほとんど本というものを読んでいなかったのですが、書店で件のタイトルがふと目に留まり、久しぶりに読んでみようと思い立って購入してみました。
ま、それだけならわざわざ日記なんか書かないのですが、ちょっと(いや、かなりか…)ひっかかる文章を発見したのでとりあえずみなさんにも見ていただこうかと。

ちなみに前提としてお話をしておくと、このお話は同郷出身の大学生三人の「大学生」といういわゆる「何者でもない」期間のありのままを描いた半自伝的小説です。
恩田陸は某都の西北「W大」に在籍しており、文学を専攻しながらも、実は泣く子もだまる学バン界の老舗ビッグバンド「ハイソ」にいたことはファンの中では有名な事実です。
作品にも少なからず影響をおよぼしており、「黒と茶の幻想」とか「朝日のようにさわやかに」なんてタイトルの本もあります。「ユージニア」という本はピアニストであるミッシェル・ペトルチアーニに捧げられたものだったりする。

なんてことを頭にとめながら、本書の第二章「青い花」からいくつか引用してみます。
まずはこの話の主人公、戸崎衛が始めてW大のM研究会の部室を訪れたシーンから。


 翌日改めて部室を訪ねた衛は、凄まじい音圧に圧倒された。
 そこで練習していたのは、ピアノトリオにテナーサックスという典型的なワン・ホーンバンドだったが、一九〇センチ近いのではと思われる上背のある男のテナーサックスの音
が素晴らしく、衛はそのあまりのうまさに驚いた。
サラサラ長髪のドラムスは小柄で華奢なのに、とても音が大きく、オカズのバリエーションといい、見るからに超絶技巧である。
禅僧のような坊主頭男のピアノも「げろうま」だし、アコースティック・ペースを操る長身のベーシストも、聴いたこともないような複雑なベースラインを弾いている。


あれ・・・
そして、新人ライブの打ち上げ風景


 改めて対峙した上級生たちは、皆個性的で能天気、加えて(会話の内容が極めて)下品であった。皆やたらと呑んではギヤハハハと大声で笑い、下ネタを逓発してはゲヘヘヘと
笑った。中でも、レギュラーのテナーサックス、早瀬さんは身体もでかいが声もでかく、呑みっぷりも破壊的であった。酔うと「ローランド・カークの真似」と言って、ビール瓶やら箸やら、長いものを何本も銜える癖があった。


だいたいわかってきたでしょ。
と、もうひとつ。


「わ、早瀬さん」
 人ってきたのは、テナーケースを抱え、リクルートスーツ姿の前レギュラー・バンドの早瀬さんだった。
 上級生が、スーツを着ているとドキッとする。そこに、現実かおる。そして、自分たちが、いかにお気楽に学生時代を過ごしているのかを見せつけられるからだ。
 「なんスか、その格好。七五三?」
 衛が突っ込みを入れると、早瀬さんは「あほ、就職活動や」と呟き、テナーケースをゴロンと床の上に転がした。
「早瀬さん、来春は卒業できるんですか」
 オズマが尋ねると、「来年は弟が大学人る予定なんで、重なるわけにはいかんのよ」と言いながらてきぱきテナーサックスを組み立て始めた。
 「何するんですか、早瀬さん」
 「見りや分かるだろ、吹くのよ」
「ここで?」
 「当たり前だろ。オズマ、Aくれ」
 三人はギョッとして、顔を見合わせた。これまで、同学年の管楽器と一緒に演奏したことは何度もあったが、早瀬さんと合わせたことはなかった。こんなにうまい、プロ並みのテナーサックスと演奏するなんて経験は、一度も。
 早瀬さんは、オズマの叩いたAの音に合わせてぐいぐいマウスピースを押しこみチューニングをすると、「よっしや、吹くぞお」と吠えた。


ということで、この早瀬って男、きっとみなさんご存知のことでしょう(笑)かなり褒めすぎな気はするが。。。ちなみに、このレギュラーバンドのピアニストの名前は「西」さんだったりします(笑)

もったいぶりましたが、きっと本人もしらないうちに小説のモデルになっているようなのでいちおう書いてみました。

実は最後に引用したくだりは、けっこうお話の中でもひとつのクライマックスになってたりして、脇役としては重要な位置にいるようです。

まぁ、半自伝とはいえ、おそらくはご本人の体験ではなく、同期のM研究会OBとかに取材したりしたんでしょうがね。
まぁ、わかっていたとはいえ、こうして文章として世にでているのはいろいろ複雑だなぁ。
(いちおう恩田陸ファンだったりするので、うらやましーやら、恥ずかしいやら)

と今日は身内ネタでした。


さ、5月ももうおしまい。
夏に向けて準備を急がなくては!!
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