ということで、満を持してのレビュー。

mutual street / ed bickert & rob mcconnell
royal garden blues
wrap your troubles in dreams
imagination/What is there to stay
i'll be around
april in paris
strange music
everywhere
open country
sweet and lovely
maybe you'll be there
ed bickert(G)
rob mcconnell(vtb)
この二人、ビッグバンドマニアの方はもしかしたらご存じかもしれませんね。
『rob mcconnell & the boss brass』というカナダを拠点に活躍していたビッグバンドでも、リーダーと良き相棒という関係。
バルブトロンボーン奏者としてはbob brookmeyerのほうが知名度は格段に上なんでしょうが、ぼくは誰がなんと言おうと圧倒的にrob派(たぶんそんな派閥は日本で一人(‥;))
フレージング・音色とも、まさにぼくにとっての『バイブル』です!
たぶん、このアルバムとめぐり合わなければ、まじめにバルブトロンボーンを吹こうなどということは考えなかっただろうなぁ。
このアルバムとの出会いはさかのぼること21年前、当時所属していた学バンの先輩トランペット奏者N嶋さんに、たぶんLPからダビングしたテープで頂いたのでした。
CDを入手したのはいつのことか、、、たぶん卒業して独り暮らしをはじめたころかな。池袋東口のWAVE(今は西武の中に移転して規模縮小してしまった)を徘徊していて発見したんだと思う。
正直、最初にテープを頂いた時の印象は『地味だなぁ』という感じ(^^;)
そんなに印象に残らなかったと思う。
ジャズを始めてはいたものの、その当時のアイドルと言えば、「ブレッカー・メセニー・サンボーン」(笑)いや、今も基本的には変わってないのだが、50年代のものとかぜーんぜん面白いと思わなかった。
確かそのとき一緒にマイルスのクッキンだかも一緒にもらったのだが、これもちっとも面白いと思わなかったなぁ、その当時は(*_*)
このアルバムの良さがわかるのには、だいぶ時間がかかったような気がする。
こんなことを言うと、ジャズのトロンボーン吹きの人から総スカンを食らうと思うが、ビッグバンドならいざ知らず、ジャズのコンボ演奏におけるトロンボーンソロというものにまったく魅力を感じていなかったのです。基本的には今も同じ。
JJとかフラーとか、そりゃうまいよね、あんな人たち間近で見たら卒倒すると思う。
だけどね、、、趣味じゃないのだ。どうせならgary valente(carla bleyのとこのトロンボーン吹きね)とか,せめてray andersonみたいな、「こんなんトロンボーンじゃなきゃぜってぇできねー」っていうほうが好き。
だけどね、あんなことできるのは「天才」もしくは「変人」。ぼくみたいなフツーの人には到底及ばない世界。
と、自分の進むべき道に悩んでいた時、光をあててくれたのがこのアルバムです。
ロブマッコーネルのソロは、自慢じゃないがぜんぶ唄えます。
ほとんどの曲を耳コピーしたし。
なんて言っても褒めてくれる人が一人もいないのがちと寂しいが(*_*)
推測ですが、このアルバム、デュオのわりにかなり細かく譜面書いてると思う。さすがはアレンジャー、聴いてるぶんにはあくまでさりげなくなんですが、細かいところで非常にオシャレな展開が満載。
取り上げてる曲もわりと古いスタンダードが多いけど、ちっとも古くさくは聞こえません。これはビカートのハーモニーセンスによるところが大きいのでは。
やはり特筆すべきは、二人のタイム感にまったくと言っていいほどズレがないこと。やっぱりこういうことができているからこその濃密なコミュニケーションなんだろうな。
ビカートは基本的に単音でソロをスタートさせるんだけど、そこにマッコーネルが少しずつ絡んでくるところなんか鳥肌モノです。バルブトロンボーンですから、バッキングと言っても単音なので、単調になるのが普通なんだけど、そこは名アレンジャー、おいしい"リフ"を次から次へとたたみ込んできます。
ソロからソロへ、ソロからテーマへの展開はとっても"シームレス"です。いちおうトロンボーンソロ・ギターソロっていう区切りはあるんだけど、どちらかが完全に主役、ということではなく、ずうっとどちらも主役。このへんがデュオの一番おいしいところですねぇ。
マッコーネルの良いところをあえてあげれば、やはり八分音符のアーティキュレーションの素晴らしさでしょう。フレーズ自体は特に突飛なことはありませんが、どんなにカンタンなフレーズでも完成されたアーティキュレーションで聴くものを魅了します。
ま、それは僕が八分音符オタクなだけだからかもしれんが(‥;)
音色はどちらかといえばダーク、だけど暖かい感じ。
あぁ、こういう風に吹ける日はくるのでしょうか・・・くる訳がない(^^;)
ビカートについてはぼくがあえてコメントしなくてもいいでしょう。きっとそのうち「ジャズ友」がレビューするはず(笑)ということで、よろしくお願いいたしまぁす(と振ってみた)
なんだか抽象的なことを書きつらねてしまいましたが、個人的にはもっと評価されていいアルバムじゃないかなぁ、と思います。でもね、当たり前だが、これ、廃盤(爆)
買おうと思っても買えないんだよぉだ。
くやしいでしょ・・・・・あ、「くやしくない」。
そですか。
では退散(‥;)