夏のジャズスト以来ひさびさのライブです!
私はスティーリー初段メンバーとして参加します!
以下、
コーラス遼さんのブログからコピペ。
■LEGEND OF ROCK Vol.67
■会場
渋谷duo MUSICEXCHANGE
〒150-0043
東京都渋谷区道玄坂2-14-8 O-EASTビル 1F
電話:03-5459-8716(12:00-19:00)
■日時
2012/11/5(月)
18:30 開場 / 19:30 開始
■料金
予約 3,500円 / 当日 4,000円
※予約・当日共に1Drink別
※学生は学生証提示で1,000円+1Drinkで入場可
■出演
スティーリー・初段 / Peace on Earth / GREAM
19:30-
Peace on Earth as GEORGE HARRISON
20:30-
GREAM as CREAM
21:30-
スティーリー・初段 as STAEELY DAN
Vo:シュガー
Gt:祐天寺浩美
Key:山本浩一郎
Ba:TAN
Dr:ユカシ
T.sax:市川裕也
Tp:辰巳哲也
Tb:八木義之
Cho:sonoka
Cho:あず
Cho:遼
今日ライブ前最終リハでしたが、なかなかいい感じに仕上がってきたのでは。
で、なんとなんと、このスティーリー初段、本家ドナルドフェーゲンも認めた(鼻で笑われた、とも言えるが)
それがこちら!
http://www.youtube.com/watch?v=RTNTKYXTvZA&feature=youtube_gdata_player
こんなことあるんだなぁ。
ここで流れてる演奏はぼくが入ってるわけじゃないんだけど、なんだか鼻が高いです(^-^)
洋楽好きのみなさんはもちろん、
ジャズ好きの方にも聞き応えのある演奏だと思うので、月曜の夜ですがみなさまお誘い合わせのうえゼヒおこし下さい。
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ということで続き。
【二日目・7月15日(日)】
■8時すぎ
タクシーで帰ってきたところまではかろうじて覚えているが、その後の記憶がまったくない。
それを察知したメンバーからのモーニングコールでようやく起床。
やはり目覚ましすらかけておらず、思いっきり寝過ごすところだった。。。
とりあえず、シャワー・パッキングを済ませ、ホテルをチェックアウト。
コンビニで買ったサンドイッチをかじりながらリハ会場へ移動。
それにしても自分が酒くさい。
■9時半
なんとかヨテイの時間に会場に到着。まだだれも来てなかった(笑)
リハといえば「あぽろん」が定石ですが、今回は時間の関係上とりあえずドリーム音楽院のスタジオをお借りすることに。ほどなくくみちゃん・にしをさん・あずまさんが到着。11時前までひととおり曲あわせ。
で、ドリームにはドラムセットがなかったので営業開始時間に合わせ「あぽろん」へ場所移動しリハ続行。
リハ中私がブチキレたりして、バンドの皆様にはたいへんご心配をおかけしたようでスミマセン(笑)
■12時すぎ
いったんリハ終了。
ジャマな荷物をフラッシュ持ち込み。
さぁて昼ごはんは何を食うかと迷っていたら、Mikioさんが珍しく「付き合うよ」ということで、オススメの「滋列亭」さんへ。
基本は「涼麺(冷やし中華ですな)」を食べるはずが、どういう気の利かせかたか、いきなり紹興酒がお出迎え(爆)プラスメインの前にこちらの前菜の数々。
ちょーうまいザーサイ ピータン豆腐ほか。ハズレなし やっと酒が抜けてき&これから本番ということで、紹興酒は一口だけでなくなく遠慮しましたが、これで酒を飲めないというのはある意味地獄だ、というぐらいおいしいツマミの数々。
と、涼麺が到着するころにはすでにけっこういい時間。ということで完食しないままフラッシュへかけもどる。
と、これまたいつものことだが、前の出番のゆうやバンドはまったく終る気配なし(笑)そういえば、去年もまったく同じ状況だったはずだ(爆)
■15時
ライブスタート
いちおうセットリスト
Comrade Conrad (Bill Evans)*
Nardis (Miles Davis)*
Windows (Chick Corea)*
Regrets (Don Grolnick)
Naima's Love Song (JOhn Hicks)
This House is Empty Now (Elvis Costello・Burt Bacharach)*
I am That (Lars Jansson)
Change of Heart (Pat Metheny)
Think on Me (George Cables)*
Three Views of a Secret (Jaco Pastorious)*
Sashianova (Stafford James)*
*印はこのバンド的新曲。
新曲のなかではやはりWindowsあたりが受けが良かったようですね。
結果的に1セット目の曲すべてがピアノのイントロからスタートになってしまい、構成的にはちょっと失敗だったかもしれません。うん。もうちょっとしっかり考えなきゃだめだな。
2セット目についてはにしをさんに入ってもらったおかげで、だいぶ緩急つく感じになったかもしれない。
にしをさんの素晴らしさは言わずもがな、なんですが、ドラム入りになったことで、東さん・くみちゃんのコンビネーションの素晴らしさに改めて気づきました。やっぱりすごいなぁ。
ま、演奏全般としては反省すべき点がそれこそ「たっくさん」あるんですが、ま、演奏はやっぱり楽しい。
このメンバーで演奏できて本当に良かった。
なお、前回ヤギブラのビデオ録画を手がけていただいた「小野さん」が今回のこのバンドも撮っていただいたので、既に超高精細映像が私の手元に届いております。
許可もいただいたので、そのうち編集してアップさせていただきます。
と、ビデオだけでなく、デジ一で写真も撮っていただいていたので、その画像を。
演奏と集合写真に加え、なぞのポーズを決める私
(いつの間にこんな写真を・・・でもちょっと50年代ブルーノートジャケ風でけっこう気にいってる)
演奏はいちおう真剣です はい、チーズ! いったい何しているときなのか? ■17時
ライブ終了。
私は一旦ホテルへチェックイン。くみちゃん・りじちょう・そしてなぜか外山安樹子さんという組み合わせの「女子会」に合流(正確には「婦人会」だが(笑))
当初お目当ての店がいっぱいだったため、やむなく古町モール内にある、コドモだましのしゃらくさいパスタ屋さん(いちおう匿名)に入る。新潟に住んでいるころからあまりいい印象はなかったのだが、ちょっとひどすぎ。
詳しくは書かないけど、サービス業としては致命的欠陥をかかえているぞこりゃ。
で、ここではビール一杯にしておいて、河岸を変える。
で、次に向かったのが最近出来たらしい店「蒲原亀蔵」
新しいお店らしくこじゃれた店内ながら、でてくる料理のクォリティーは新潟でもトップレベル。それでもってめちゃ安。
どうやら朝日酒造(久保田をつくってる酒蔵)と関係があるらしく久保田は百寿から翠寿(すいじゅ)まで完璧な品揃え。もちろん朝日酒造以外の酒も品揃えされており、この日は途中いったん退席した外山さんとほぼふたりで「真野鶴」と「鶴齢」を5合ほどいただく。佐渡の酒といえば「北雪」が有名ですがこの「真野鶴」もなかなかに良いお酒でした。
と、ネットで見てみると、このお店、けっこう昔からチェーン展開しており、「蒲原」と名のつくお店がほかにもたくさんあるようです。新潟市内で地物がいただけるチェーン店としては「よね蔵」グループが最右翼と思っていたが、コストパフォーマンス的にはこっちが上。
この日はひたすら飲み食いと悪口(笑)で大いに盛り上がったため、写真を一枚も撮らなかったのが若干悔やまれる。新発田産極太アスパラとか、もち豚炭火焼とか、自慢したいものは山のようにあったのになぁ。
ということで、この日は11時前に解散。
余談ですが、この頃にしをさんはフラッシュ前でのぐだぐたの末、奇跡の復活を遂げ、二時間ほどベースを弾きまくったらしい。
ということでジャズスト参戦の記録は以上。
それにしても新潟は素晴らしい。
特に今回は新たな発見もあり、さすがは新潟の底力、というところか。
今回はいろいろあり実現しなかったけど、次は夜の滋列亭にいく!という大きな目標も出来たし(笑)
ということで、関係者の皆様。まことにありがとうございました。
いつの日かまた新潟でお会いしましょう。
帰り道すがら、万代橋より日本海側を望む
すでに1週間が経過しましたが、いちおう記録。
今回はなるべく簡潔にすませよう(笑)
【初日・7月14日(土)】
■朝9時
小雨降るなか家を出発。
タクシーで上野駅に向かう車中から一枚。
■10時過ぎ
新幹線で新潟へ向け出発。
今日のメイン「スティーリー初段」の譜読みに専念。
だれだかわからなかったけど、どうやら隣に座ったお姉さまも参加者らしく、しきりにメールのやりとりをしていた。
■12時過ぎ
新潟到着。
今回も宿の予約が遅かったため、連泊できる宿がなく、一日目はやむなく駅近くのホテル。
とりあえず楽器・機材をおろしてからまずは駅そばの「富寿し」で腹ごしらえ。
その後、時間に余裕もあったし、思いのほか涼しかったので徒歩で古町まで移動しスワン・フラッシュにご挨拶。
「本番前だしな・・・」ということで我慢していたのに結局フラッシュでビール飲んでしまう。うまい。
■15時
いったんホテルへ戻りシャワーを浴びて休憩。
うたた寝してたらあっという間に出発時間になり、あわてて準備。
■17時
本日ライブ会場「NSTゆめホール」に到着
今日は涼しいな、とたかをくくっていたら、いつの間にか晴れてて着くころにはすでに汗だく。
せっかくシャワー浴びたのに。
などとおもっていたら、なにやらバンドメンバーに不穏な空気が漂う。
実はレンタルのドラムセットに「シンバルがない」という事実が判明。
一時はどうなることやら、と心配したが、同業の方が快くシンバルを提供してくださりなんとか解決。
■18時
本日のメイン「スティーリー初段」のライブスタート
セットリストはこんな感じ。
Gaslighting Abbie
Kid Charlemagne
Black Cow
Aja
Deacon Blues
Peg
Home At Last
I Got The News
Josie
Bodhisattva
Goodbye Look
Black Cow~JosieがSD不朽の名盤「Aja」収録曲。
私自身は好きなのだが、こういうホンセクをやる、というのはほぼ初めて。
けっこう細かくとちったりしましたが、概ね楽しく演奏できました。
でもやっぱりこういう音楽はライブハウスのほうがはまるよなぁ。
もしまた新潟で、という機会があればなんとしても「ジョイアミーア」でブッキングしたいところ。
■19時以降
初段ライブに続いてラッパのタツミさんのオクテットライブがあったので、とりあえずステージ裏のテラス席でコンビニで調達したビールとツマミで乾杯。相次ぐトラブル(笑)のせいか若干スロースタートではあったが、ヘンリー塚本話をきっかけにいっきにヒートアップ(笑)ガラス越しに奏でられているたいへん上品な音楽とは対照的に下ネタ一直線に盛り上がる初段メンバー。
とりあえず一旦中へ移動し、ようやくタツミさんバンドをちゃんと聞く。とこれが凄い。
「流麗」という言葉がぴったりの非常に洗練された音楽。ほぼすべての楽器が生音で、なおかつあのうわんうわん音が回る音響の中でのあの素晴らしいバランス。音量も小さく一見クールなんですが複雑で小粋なアレンジとレベルの高い洗練されたソロで実はとても熱い音楽でした。うーむ。これは逆立ちしてもぼくにはできん。
たつみさんバンドを堪能した後は、車で古町へ移動。
ドライブのBGMはドリフターズ。加とちゃんパワーに圧倒されながらきぐちに到着。
この時点できぐちはすでに満席。ということで、とりあえず新潟居酒屋ではそこそこ定評のある「五郎」の姉妹店「たらふくうなり」に移動。うにさざえ・岩がきなどを堪能してから、今度はお約束のきぐちへ移動。
この間ひたすら下ネタで盛り上がり続ける初段一行。うーむ、聞きしに勝る最低加減(笑)
なおかつ、このような状況下で主要メンツ3人がシラフ・日帰りするというところが恐ろしい。
ということでとりあえず一日目は終了。
二日目へ続く。
(ぜんぜん簡潔じゃない)
※文中の画像の一部は外山あきこさん・祐天寺ひろみさんのつぶやきより拝借いたしました。
いぇい!(笑)
ということで、行ってきました。
待望のクリポタライブ@コットンクラブ
知っている限りでは、バンドとしての正式な来日は5年ぶり2回目ということになるのでしょう。
前回は、Dave Holland Bandのメンバーとして来日しました。
このとき、た~またま「放し飼いトリオを新潟へ呼ぼう」という企画と重なってしまったため、聞きにいくことができませんでした。とはいえ、その当時はホランドのバンドについて「小難しい変拍子ジャズ」ぐらいの認識しかなく、後からそのライブの非公式音源を聴いてドギモを抜かれた、というのが実際のところです。
かくいう私、クリポタのことはデビュー直後から追っかけており、クリスクロスで地味~なアルバム作っていたころからのファンです。なので来日・観戦記念としてこの「くりぽた」にスポットを当ててみましょう。
ジャズファンのみなさんはご存知のことと思いますが、クリポタの名が世に知れ渡ったきっかけというのは91年のセロニアスモンク・コンペティションからでしょう。このモンクコンペは1987年に創設された米国のジャズコンクール。いわゆる若手ジャズ奏者の登竜門で年によって対象となるお題(楽器)は変わります。
クリポタが参加した91年サックス部門というのは「超当たり年」で、1位がJoshua Redman 2位がEric Alexander で、このときクリポタはまさかの3位に甘んじたりしております。
そのころのクリポタはというと、どちらかといえば「ブレッカー以降のコンテンポラリーサックス奏者」という大きな括りで片付けられてしまう程度の位置づけであったような気がします。
リーダーアルバムをいくつか聴いたりしたのですが、最初はあまりピンと来ておらず、それほどのめりこんめなかった。はじめて衝撃を受けたのは、その当時突然の復活を遂げ全世界ツアーを敢行した「Steely Dan」のライブアルバム「Alive In America」です。
って、これものスゲー安いな。
知らない人もだまされたと思って買ってください。
ぜったい損はしない。
膨大なライブテイクからの編集なので、曲によってはBob Shepardだったりしますがこのアルバムの4曲目・11曲目でソロを取っています。ちなみに4曲目は最近めっきり吹かなくなってしまったアルトでの演奏で個人的にはこっちがお気に入り。なんせ11曲目はあの名曲「Aja」なので、さすがに元ネタのショーターとつい比較してしまうので分が悪い(笑)アルトでのソロはいかにも「サンボーンのフュージョン」的なアプローチに、ほんのちょっとだけうねうねクロマチックラインが入り混じったなかなか気持ちの良いソロです。
実はこの94年クリポタ入りのライブツアーを私はすんでのところで見逃しています。
会社からほど近い代々木体育館がライブ会場。あの伝説のバンドが生で見られる、ということで、早々とチケットも予約してたんですが、なんとそのライブ当日にチケットの入った財布ごと落とす、という悲劇に出くわし、盛り上がっているであろうライブ会場を横目に見ながら涙目で帰路についたのでした。
ちなみに2000年に発売された復活後初のスタジオ録音版「Two Against Nature」では、クリスポッターはホーンアレンジとソロで大フィーチャーされており、この時期のSDの活動に大きな影響を及ぼしたことはくりぽたの歴史を語る上では外せないエピソードでしょう。
SDの活動で改めてその存在感を大きくしたクリポタ。95年にコンコードに移籍し、この間にも自分名義のアルバムを地道に作っていました。参加しているミュージシャンもけっこう大御所が参加。でもまだこのころはパッとしないんだよなぁ。
90年代の活動として私が特にお気に入りなのはこの二つ。
前者は学校の恩師であるケニーワーナーとの師弟競演盤。
アルバム全編を通して非常にリラックスした雰囲気。時にシリアスに、そしてユーモラスに、まさに会話のように音がつむがれて行く様は、今聴いても心がほっこり温まる演奏です。
二人のオリジナルに加え、私の大好きなハレルのSail Awayや、Epistrophy・Giant Stepsなど、クリポタ初心者にはたいへんおすすめのアルバム。
で、後者はマイルスバンドのドラマーとして名を馳せた名ドラマーAl Fosterのリーダー作。
ここではわりとソプラノメインで吹いています。
クリポタのアドリブソロにおける様々なアイデアがとてもわかりやすく展開されています。
この2作品に共通して言えるのは「わかりやすい」ということ。
いずれもあまり難しいフォーマットでない分、クリポタがどういうイメージを持ってアドリブを作っていくのかが私のようなど素人が聴いても良くわかる(爆)あと、歌心もあって聴きやすい。
リーダー作を聴いてピンとこなかった、というのは、実は「自分の耳がクリポタのイメージについていけてなかった」ということの証左でもある、と最近気づいた。
ただし、ここでのクリポタはまだ完成の域までは達していない。
まずはその「音」
ま、CDの音だからあてにならない気はするが、今に比べるとだいぶ線が細いように感じる。
そしてアーティキュレーション。
これについては今とは明らかに違う。
全体的にアタックが甘めで、シンコペーションのレイドバックもいまほどではない。
さてこれが変容したのがちょうど2000年ごろ。リーダー作で言えば「Gratitude」あたりから。
何があったのかわからないが、この90年代後半から2000年にかけての間に、今にいたるいわゆる「クリポタ節」が完成される。
おそらくフレーズの中身自体に大きな変容はないのだが、ある意味パーカーの節回しをも彷彿とさせるような、非常にバピッシュでアクが強く、そしてキレのあるフレージングに変わった。
ついでに言えば、音についても同時に進化を遂げている。
前述のとおり、2000年以前の演奏における音は、若干ひ弱な印象であったのが、いわゆるテナーサックスの王道を行く、逞しく力強い「男」って感じの音へと変貌。
「録音の問題」ということも考えられなくはないが、実は音はもともと素晴らしくてアーティキュレーションの変化に伴って本質的な音の良さ、力強さが引き出されたというのが本当のところなのかもしれない。
この変化(特にアーティキュレーションの変化)によってクリポタはまさに「スタイリスト」の一人となり得る個性を獲得したと言えます。ジャズテナーサックス界のスタイリストといえばやはりロリンズ・コルトレーンが真っ先にあがりますが、少なくともマイケルブレッカーと互角に渡り合えるぐらいの普遍性と独自性を兼ね備えた存在であるように私は思います。ちなみに2000年というと、前出のSD「Two Against Nature」も同時期。
さて、変化を遂げたクリポタの世界を存分に堪能できるアルバムを二枚ご紹介。
こちらは2002年のVillage Vanguardでのライブ盤。とにかく強力。
これを聴くと「小難しい」とか言っていたのをホントに恥ずかしく感じる。そこにあるのは音の力強さ。オリジナル曲は相変わらず変拍子でひねくれてたりするけど、そんなこと考える意味ある?っていうぐらいグイグイドライブしていくパワー。ぜひ一度そのうねりに身をゆだねてみてください。
そしてもうひとつはかなり異色ではあるが、ストリングスも入った10人編成での演奏。
全曲クリポタのオリジナル。ひとことで言えば決してとっつきやすい音楽ではありません。ただ、普通のコンボジャズのフォーマットとは違い、ストリングスがよりクッキリと音の輪郭や色彩感を刻んでくれることで、クリポタの構築した「音楽」がストレートに伝わってきます。
頭も耳も悪い私はこれを聴くことでようやく「くりぽたの考える音世界」の一端を垣間見れた気がしたし、遡って過去のリーダー作で伝えようとしていたこと、やりたかったことの意味が少しわかるようになりました。
ハッキリいって、曲調は全般的に「暗くて重たい」です。でもひとりで音楽に浸りたい時にはホントに最適な音楽。最後はちゃんとハッピーエンドだし(笑)
個人的には登場まで4分以上待たせた上でくりぽたの「狂気」が垣間見れる3曲目がおすすめ。ヘッドホンで爆音で聴いたらぜってぇ泣く(爆)
さて、長々つづってきましたがよーやくUndergroundです。
良く「変拍子ばっかりの変態音楽」みたいな言われかたをしますが、よくよく考えるといまどき変拍子ぐらい珍しくもなんともないのだ。そういえばすでに自分が学生のころすでに「M-Base」なんてのが流行ったりもしてたし。
ではなぜくりぽたはここまで変拍子ジャズにこだわるのか?はっきりした答えはもちろんわかりませんが、なんとなしに思うのは、アドリブにおいて予定調和的展開をいかにさけ、緊張感を持続させるかということなのかな、などと思いますが、良くわかりません。
仮にそういう意味があったとすれば、もともとのこのバンドのフォーマットである「ベースレス」というのもなんとなく納得がいく。まぁいちおうベースの替わりにローズがベースラインっぽい役割を担ってるんですが、そこは所詮片手間(左手、か)なので、単純にバンドをグルーブさせるようなビートは出さずに、よくわからないうねうねうねしたラインが主体。いっぽうローズの右手とギターもやはり単純なバッキングではなく、コードとラインをシームレスに行き来するという、いささか頭でっかちな感じ。ま、これも強力なドラムのビートがあればこそ、ということなんだろうが。
私がこのフォーマットでの真骨頂を味わえると思ったのは、やはり最初の作品「Underground」
いまのところ「Underground」で出ているアルバムは3枚ですが、このアルバムだけ、ギターがWayne Krantzなのです。ホントのところは「サウンドが云々」ということではなく、単純にクランツファンだから、かもしれないけど、「Underground」らしさ、というのはクランツ・ティボーン・スミスの組み合わせのほうがハッキリしているなぁと思っていた。そう、この間のライブまでは。。。
と、よーやくこないだのライブまでたどり着きました。
このライブが記憶に残るライブになるであろうことはある程度予想はしていました。
しかしそんなちっぽけな期待などいとも簡単に打ち砕かれようとは・・・
と、ここからはあくまでクリスポッターのファンである私個人の感想です。
一般的な評価、というものとは違うかもしれない、ということを恐れずに申し上げます。
「くりぽたは格が違う」 と。
実は私、この2ヶ月の間に91年モンクコンペの受賞者3人をすべて生で聴いてしまいました。
ちなみにジョシュアは前に2度ブルーノートで聴いています。エリックアレキサンダーとクリポタは初めて。
もちろん演奏する音楽の系統もフォーマットも違うので、比較すること自体あまり意味がないと思うし、みな上手かった。
だ・け・ど、ですよ。
クリポタの凄さというのはこんな文章では到底言い表すことができないぐらい凄かった。
もう理屈とかではないのです。
ライブを経験してからすでに2週間が経過しようとしていますが、あの瞬間に起きたことをいまだに整理できず、でもなんとか理解したい、と考え続けている自分がここにいます。
ま、くだらないことを書くよりはこれを見てもらうのが一番わかりやすいでしょう。
とは言え、これを見たからライブでの本質が伝わるとは思えないのがたいへん残念ですが。
http://www.cottonclubjapan.co.jp/jp/sp/2012/0526_chris/
とても「解説」などできはしないのですが、とりあえず感じたことを書きつづってみましょう。
①音がすげー
私のライブ経験の中で、これほどまでに音で圧倒されたのは「グロスマン」以来です。
とにかく密度の濃い、そして野太い、かといって荒々しくなく、非常に繊細で緻密にコントロールされている。
そう。あまりに完璧なのです。
②フレーズがすげー
とにかくいつまででも溢れ続けます。
時間の経過という感覚を忘れてしまうぐらいどこまでも長く、それでいて、いわゆる安直な「手癖」に陥ることなく次から次へとヘビーでトリッキーなパンチを浴びせかけてきます。
「この世に終わりはこないのではないか」と思ってしまうぐらい。
③歌心がすげー
①②のように書くと、まるで超絶技巧が売りのように思えてしまうのではないかと思いますが、バラードはもちろん、どんなにひねくれた曲でも完璧に歌い上げます。どちらかといえばその歌心は朴訥といっても良いぐらいストレート。たとえばブレッカーは巧みなアーティキュレーションを駆使してメロディーにメリハリや陰影をつけますが、そういう小細工は一切なし。実にたんたんと歌いあげます。
と、思いつくところをいくつか書きましたが、こんなことで表現しきれるものではないのですよ。あーくやしい。
あ、ちなみに、クリポタのことばっかり書きましたが、バンド全体として、ほんとに凄まじいことになってました。
ファンの方にはたいへん失礼な話しですが、Adam Rogers には正直それほど大きな期待をしていなかったのでこれはホントにうれしい誤算でした。ちなみにRogersが参加しているUndergroud2作とはアプローチの仕方が大きく変わっていました。どちらかというと浮遊系(ってそんな言い方あるのかどうかわかりませんが)というイメージでうねうねとラインを行き来する印象だったのですが、今回のRogersはキレのあるカッティング主体のバッキングと、音数を抑えたリズミックなアプローチのソロを使いよりバンドのグルーブ感を煽っていました。
ベースのEphronはいい意味でティボーンの左手と同じ感じ(笑)Funk Beatでベースとなると、ついマイルスバンドのダリル・ジョーンズみたいにずんずんビートを押し出してくるのかと思ったら、そんなわかりやすいことになるわけもなく(笑)以前は頭でっかちで上のほうでローズとギターが「もやもや」としていたのがスッキリし、逆に低音が今まで以上に大きな音で「もやもや」するという、新しい形になっていました。
ま、Nate Smithについては多くを語らないでよいでしょう。
すげー!
それだけです。
私は最終日の2セットを通して聞いたのですが、正直もう曲名だとか曲順だとかぜんぜん覚えてないので、そういうことは他のマジメなブロガーさんにおまかせすることにして、ほんとに印象だけで書いてしまいました。
もしかしたら、この文章を読んでとても気分を悪くされる方もいらっしゃるかもしれませんが、もし「次の機会」というものがあれば、ひとりでも多くのみなさんにこの衝撃を生で味わってほしい、そう願うことでこのような記事を書いているのだ、と理解していただけると幸いです。
では最後に、お約束。
「クリポタ、クリポタ、、いえ~~い♪」